わたしたちの生活で電気はなくてはならないものです。工場やビルなどの電気工事だけではなく、家庭でもエアコンの取り付けや、コンセントの修理などで電気工事が必要です。
知識のない人が電気工事を行うと感電や火災が起きるおそれがあるので、作業をするには電気工事士の資格が必要になります。近年では、働き方や休日の過ごし方が以前とは異なる人が多く、人々が家で過ごす時間が増えています。
その影響で電気工事士の需要も高まっています。この記事では、電気工事士の資格を持っている人ができることについて紹介します。
電気工事士について
電気工事士とは、法律で決められた資格を持ち、電気の設備や電気部品の取り付け、修繕を行う人のことです。電気工事の作業中に感電や発火などのおそれもあるので、法律に基づいた基準に沿って、安全に電気を扱うための知識や技術が必要です。
簡単な電気の修繕作業であれば、電気工事士の資格がない人でも行えますが、電気工事士として仕事をするためには、国家資格を持たなければなりません。電気工事士の資格は、第一種電気工事士と第二種電気工事士に分かれていて、それぞれの資格でできることが違います。
第一種は難易度が高い資格なので、できることは多いですが、資格を取るのには時間がかかるでしょう。電気工事士の仕事は細かく分類されています。なお、電気工事士ができることは、所属する電気工事会社の仕事内容と、電気工事士の技術や経験によって異なります。
電気工事においてできること
一般に言われる電気工事の仕事の内容は、配線の取り扱いや、電灯、電力機器などの工事です。電気工事士の資格を持つ人ができることは、これらの電気設備の工事です。
電気工事を行うためには、国家資格が必要で、その資格とは電気工事士です。細かい作業やできることは、現場や会社によって異なりますが、電気工事士としてできることは現場での作業になります。
電気工事は家を建てるときにも必要です。電気工事士としてできることが人々の生活に繋がるので、重要な資格といえます。
電気工事士ができることには代理人も含まれる
電気工事を行う現場には監督がいます。建設会社は選任の技術者を置く必要があると法律で定められているためです。電気工事士は現場の代理人にもなれます。
現場の代理人というのは、現場で発注者から請け負う作業を代わりに行い、工事の責任を負う人のことです。現場の代理人を行う資格は定められていませんが、電気工事の知識の有無によって大きな差が出ます。
そのため、電気工事士の資格を持つ人が電気工事の現場の代理人を務めることが多いです。
電気工事士ができることには日曜大工も含まれる
近年では電気工事士の資格を持ち、日曜大工をする人が増えています。電気工事士の資格は、一種と二種があり、誰でも受験できます。そのため、電気工事士の資格を持つ人が日曜大工で電気作業をすることも珍しくありません。
ここ数年日曜大工の人気は高まりつつあり、家の中の電気の配線を自分で行う人も増えています。これから自宅の電気工事は、業者に頼まずに自分で行う人が増えてくるでしょう。
日曜大工で電気に関する作業をするだけではなく、電気工事士の資格を生かし、経験を積んでいけば、できることが増え、やがては独立して開業できるかもしれません。
電気工事士ができることと将来性について
電気工事士の資格を持つ人は、さまざまな現場で活躍しています。たとえば、家の施工など、建物を使えるようにするには電気工事が必要不可欠です。そのため工事現場では、電気工事士の資格を生かして働けます。
また電気工事士は、建物をメンテナンスする仕事でも必要です。家や店舗、工場などの建物は、使い続けていくうちに問題が起きることがあります。そのため、トラブルにすぐ対処できる人が必要です。
メンテナンス作業は、一般的には設備管理やビルメンテナンスといわれています。どのような建物でも、存在し続ける限り電気が必要になります。そのため電気工事士の資格は新築だけではなく、建物のリフォームやメンテナンスなどの作業でも必要になるのです。
毎日の生活で電気が必要である以上、電気工事士ができることは増えていきます。電気工事士は将来仕事に困らない資格といえるので、持っておくと良いでしょう。
電気工事士の資格を持っている人は、作業現場で重要な作業を任されるようになります。また、部下の指導や管理を行うことにもなります。そのため、仕事の幅が広がり、キャリアアップの機会も多くなります。
さらに、電気工事士の平均年収は約400万円から500万円程度といわれていますが、スキルが上がれば年収が増えることも十分に期待できます。
第一種と第二種は異なる
電気工事士の第一種と第二種には、さまざまな違いがあります。
1つ目の違いは、扱える電気設備が異なる点です。第二種電気工事士は、電力会社から600ボルト以下の配電を受けている一般的な設備について、配線や電気に関する作業ができます。
この資格を持つ人は家庭の電気や店舗、小さな事業所での工事が可能です。しかし大きな事務所や工場、病院やショッピングモールなどには6,600ボルトにもなる高圧受電設備が設置されています。
第二種の資格ではこのような整備についての作業は行えません。しかし、第一種電気工事士の資格を持つ人は、600ボルト以上の自家用電気の設備であっても、500キロワット未満であれば作業を行えます。
そのため6,600ボルトを有する大きな施設の電気設備は、第一種の電気工事士の資格を持つ人ならば、問題なく作業ができます。またビルの屋上などに設置されている電気設備をメンテナンスするときにも、第一種の資格を持つ必要があります。
2つ目の違いは、主任技術者になれる点です。第二種電気工事士の資格では、最大電力が100キロワット未満の施設でなければ作業できません。一方で第一種の電気工事士ならば、最大電力が500キロワット未満の施設で作業ができ、主任技術者にもなれます。
3つ目の違いは、資格を取ったあとに講習を受ける必要があるかないかという点です。第一種の電気工事士は、資格を取得してから5年以内に、講習を受けなければなりません。この講習は有料であり、5年ごとに受け直す必要があります。