ーブレーカーを新しく交換するときには電気工事士の資格が必要ー
家のなかのブレーカーやスイッチの配線を変えるときには、電気工事士の資格が必要になります。
屋内配線の工事では、専門的な知識を持っていなければならず、ミスしたときの危険性も考えなければなりません。
そのため、電気工事士の資格を持っていないときには、プロの電気工事士に頼む必要があります。
この記事では、ブレーカーの種類や仕組み、交換するときの注意点について紹介しています。
ブレーカーの工事には電気工事士の資格が必要
ブレーカーや配線に関係する作業をするときには、第一種或いは第二種の電気工事士の資格が必要です。
簡単な作業であれば素人でもできる気がしますが、分電盤やコンセントに関係する作業でも危険が伴います。
例えば、ブレーカーの配線を繋ぐ作業をするときに、知識がない人が工事をすると、配線を間違えたり、きちんと繋げなかったりします。
電気が通らず照明がつかないだけならよいのですが、電子機器に故障が生じたり、漏電が起こる可能性もあり、酷いときには、火災が発生するかもしれません。
ブレーカーを扱うときに注意しなければいけないのは感電で、100ボルトの電圧でも、大けがや死につながる危険性もあるので注意しましょう。
簡単そうに見える電気工事士の仕事も、命に関わる危険が生じるかもしれないので、電気工事士の資格を持たない状態で工事をすることは禁じられています。
また、法律に違反すると罰金の対象にもなるので注意しましょう。
なお、電球や蛍光灯を交換したり、コンセントカバーを変えるくらいの作業であれば、資格がなくてもできますが、素人が行うのは危ないので、自信のない人は電気工事士に頼むことをおすすめします。
分電盤とブレーカーについて
分電盤と言われてもピンとこない人もいますが、家のなかにある、ブレーカーが入ったボックスを想像すると良いでしょう。
分電盤を設置するのは、外部からの電気を部屋ごとに分配してもらうためです。
この電気をこの部屋のコンセントに、この電気は別の部屋にという感じで、電気を分配してくれます。
ブレーカーには電気を遮断する機能があり、電流が多く流れ過ぎることを防ぐので、漏電する心配がありません。
住宅に必要不可欠なブレーカーは、分電盤の中を見ると3タイプあります。
まずアンペアブレーカーは、電力会社との契約で決められた電流以上が流れると自動で作動します。
分電盤の左端に設置されており、大きなサイズで目立ちやすく、カラーは電力会社や契約した電流数によって異なります。
アンペアブレーカーが止まるのは、家全体での電気の使用が超過するときです。
安全に使用するためには、一回で使用する機器を減らすなどの対策が大切です。
漏電ブレーカーとは、漏電を見つけて回路を遮断するブレーカーで、分電盤の真ん中に存在しており、イエローやレッドのテストボタンが付いています。
漏電ブレーカーが作動したときは、電気の使用量が増えたときよりも危険な状況と言えるでしょう。
漏電をそのままにしておくと、電気代が増えるだけではなく、最悪の場合には感電する危険性もあるので注意が必要です。
もし、漏電ブレーカーが頻繁に作動するときには、直ちに電気工事士に連絡しましょう。
安全ブレーカーは、分電盤のなかでは右側にあり、複数ある小型のブレーカーです。
ブレーカーの配線は、部屋ごとの回路につながっており、回路ごとに電気を使いすぎたときに遮断されます。
問題が発生したときには、一度すべての機器のコンセントを抜いてから、再度ブレーカーを上げて使用すると良いでしょう。
ブレーカーを交換するときの注意点
ブレーカーが頻繁に落ちるときには、電気工事士に頼んでブレーカーを交換することをおすすめします。
分電盤も含めブレーカーを丸ごと新しくすると、ブレーカーや分電盤のなかで不具合が起きている箇所に対応できます。
ブレーカーを交換するときには、設置する位置と大きさを前もってチェックしましょう。
取り付ける場所が変わるときには、湿度や温度が一定の場所やホコリが入りにくい場所、ペットや子どもが触れない場所を見つけましょう。
なお、ブレーカーを高温多湿の場所に取り付けると、火災が発生する危険性があるので注意しましょう。
ホコリは漏電を引き起こすので、できるだけカバーを開けないようにすることが重要です。
ペットや子どもが勝手にブレーカーを触ってしまうと、スイッチが壊れる可能性もあります。
いま使っているブレーカーよりも、小さいものを取り付けるときには、壁に跡が残る可能性があります。
小さいサイズのブレーカーを取り付けるときには、クロスの張替えも考えてみましょう。
ブレーカーを増やすときの注意点
安全ブレーカーが落ちやすいときには、ブレーカーを増設することも1つの方法です。
1つの回路を2箇所に分けることで、ブレーカーが落ちにくくなります。
1階と2階でブレーカーが分かれており、1階に電力が大きな設備が設置されているケースでは、ブレーカーを複数に分けることで、安全ブレーカーが落ちにくくなります。
またブレーカーを増やすことで、これまで電力を供給しにくかった場所へも分配しやすくなります。
電気を使用できる範囲が広がるので、コンセントを新しく設置したいケースでは有効です。
なお複数のブレーカーを増やすときには、ブレーカーの交換を考えた方が良い場合もあります。
ブレーカーが頻繁に落ちるときには契約を見直すこともできる
電力会社との契約を見直すことで、同時に使える電力を増やして、ブレーカーが落ちる問題を防ぐこともできます。
特に電力を必要とする大きな設備を取り付けたり、電気を使う人数が増えるケースでは、これまでの契約アンペア数では電力が足りないケースが多いので、一度契約を見直すことをおすすめします。
しかし、契約アンペア数を変えると電気代の基本料金も上がります。
停電が心配だからといって契約アンペア数を増やすと料金がかかるので、家庭に合ったアンペア数を見定めることが重要です。
繰り返しになりますが、家庭用のブレーカーを新しくするときには、第二種電気工事士の資格が必要です。
間違っても、電気工事士の資格を持たない人が勝手にブレーカーの交換をすることのないよう注意しましょう。
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