電気工事士は、わたしたちの生活に欠かせない電気を扱う重要な仕事です。
電気を扱う仕事は、危険が伴う作業もあるので、国が定めた電気工事士の資格を取得しなければなりません。
この記事では、電気工事士の資格を取得するための勉強法や、覚えておくべき基礎知識について紹介します。
電気工事士が行う仕事について
電気工事士は、住まいの電気設備の設計や施行を行います。
新しい建物を作るときに電気の設備を取り付け、電線や配線、幹線を扱い、大型の電気機器の点検なども行います。
電気工事士は、働いている会社でチームを組み、現場監督や施工リーダーの指示を受けて一緒に作業します。建設現場で働く機会も多く、そのほかのスタッフと共に、安全を確認しなければなりません。
電気の基礎知識を理解して、電気工事士の資格を取得してからは、電気工事を行う会社や、電気設備の会社で働くのが一般的です。そのほかにも、大きな建設会社で電気工事を担当したり、電力会社で働いたりする人もいます。
近年では、家電量販店や家電メーカーも電気工事を行うので、電気工事士はどこに行っても仕事があるといわれています。
また、鉄道に関係する部門で働く人もいて、線路上の電線や、電気を供給する発電所や変電所の整備なども行います。
◼︎電気工事士の資格について
電気工事士の資格には、第一種と第二種の2つがあり、資格によってできる仕事が異なります。
第二種電気工事士の資格を持っていれば、600ボルト以下の建物の電気工事ができます。主に戸建て住宅や小さな店舗の電気を扱います。
一方で第一種電気工事士の資格試験に合格すれば、最大電力が500ワット未満の設備の工事ができます。小さな工場やビル、デパートやショッピングモールの電気を扱えます。
第二種電気工事士の試験では、経済産業省令が定めた電気工学の授業を受けた人は、基礎知識を持っていると見なされて筆記試験も技能試験も免除になります。そのほかにも、筆記試験が免除になる条件がいくつかあるので、ウェブサイトを見てチェックすると良いでしょう。
テストの内容も、試験センターのサイトに過去問題が公開されているので、参考にして基礎知識を身につけましょう。
第二種の試験と合格率
第二種の試験は、合格率の平均が基礎知識を答える学科試験が約60パーセント程度、実技試験が約70パーセント程度です。一見すると基礎知識を答える学科試験は合格率が低く感じますが、実技試験に進めるのは学科試験をクリアした人のみです。
電気工事士の基礎知識があっても約3割程度は実技試験に受からないので、安心できない試験といえるでしょう。
第一種の試験と合格率
第一種の試験は、合格率の平均が基礎知識を答える学科が約55パーセント程度、実技試験が約65パーセント程度です。
第二種と比べると合格率が下がり、基礎知識を答える学科試験と実技試験を一発で合格する人は少ないのが特徴です。
電気工事士の試験で難しいのは実技試験
第二種と第一種どちらも電気工事士の試験で難しいのは、実技試験といわれています。電気工事士の実技試験は、不合格になる人が多くいます。理由として試験時間が短いことと、欠陥が1つでもあると不合格になること、難易度が問題によって違うことが挙げられます。
実技試験では、前もって公表されている問題のうちの1つが出されます。しかし問題は各試験会場で異なり、試験が始まるまでどの問題が出るかはわかりません。すべての問題に対応しなければならないので、学科試験が終わったら、実技試験の準備をスタートしましょう。
なお電気工具の使い方がよくわからない人や、何度実技試験を受けても不合格が続く人は、講習会へ参加することも1つの方法です。講習会ではプロの講師が、試験への対策を工作のやり方から欠陥を回避するポイントまで丁寧に教えてくれます。
電気工事士の資格に有効期限はあるのか
電気工事士の資格の有効期限についても、第一種と第二種では違い、第二種の資格には有効期限がありません。
しかし、第一種の資格には有効期限が定められています。5年ごとに講習を受けて基礎知識を学び直し、更新手続きを済ませなければなりません。更新手続きといっても複雑ではなく、国の指定を受けた機関で講習を受けるだけです。
もし更新手続きを行わないと、資格を返納しなければならない可能性が生じるので注意しましょう。
資格としては、第一種のほうが第二種よりも待遇が良い傾向があります。第一種の資格を持っている人は、第二種よりも作業できる範囲が広がるので、より多くの収入を貰えるようになります。また第一種の資格は実技経験が重視されるので、評価の基準が上がります。
もし電気工事士として、年収やスキルをアップしたいときには、第一種の資格を取得することをおすすめします。
電気工事士を目指すべき人とは
電気や電気工事が好きな人や、丁寧で慎重に作業できる人、周囲とコミュニケーションが取れる人は電気工事士に向いているといえるでしょう。
また、電気の基礎知識を持ち、電気の危険性を理解している人も電気工事士として働けます。
さらに電気工事の現場では、ほかの作業員と一緒に動くことが多いので、作業内容について正確な報告や連絡をし、リーダーに相談をするには、コミュニケーション能力が求められます。
立ち作業や重い機材を使うので、体力も必要な仕事です。
電気工事士の資格と将来の必要性
電気工事士は持っていると仕事の幅が広がる資格です。電気工事を行う会社への就職や転職がしやすくなります。
日本では少子高齢化が進んでいて、労働者の人口は毎年減少しています。将来的に電気工事士は不足するといわれているので、資格を持っていることは有利になります。
また、資格手当などで収入アップできるかもしれません。資格に関する手当は会社によって違いますが、年収が上がることが多いでしょう。
電気工事士の資格を持っていれば、自宅のリフォームで電気の配線を自分でできます。
電気工事士の試験は、年齢や職歴、学歴に関係なく、多くの人が受験できます。一生に一度はチャレンジする価値があるといえるでしょう。