電気工事士の試験を受ける前には基礎知識を学ぶ必要がある
コンセントが足りないときや、ケーブルが届かないときなどはホームセンターで延長コードを購入すれば解決します。
しかし、事務所の中の電気設備になると簡単にはいきません。店舗や事務所では電気工事を行わなければなりませんが、工事を電気工事士に頼んでもどのような作業を行われるのかよくわからない人も多いようです。
実際知識のない人が勝手に配線を変えてしまうと、電気の問題が生じるだけではなく、法律で罰せられるかもしれません。この記事では、電気工事士が覚えなければならない基礎知識について紹介していきます。
電気工事士について知る
電気を扱う工事では、ミスがあると大きな被害が出る可能性があります。そうした事故を防ぐために、電気工事に関する基礎知識やスキルを確認するための試験を受ける必要があり、電気工事士という資格を得なければなりません。
電気工事士は第一種と第二種に分けられています。電気工事士の資格は安全に関わるので、細かい規定が決められており、資格を持たない人が電気工事をしたり、規定外の作業をしたりすると、法律で罰せられる可能性もあるので注意しなければなりません。
電気の基礎知識についての試験
第二種の電気工事士の試験のなかには、電気に関する基礎知識の分野があり、その名の通り基礎知識を勉強する科目です。基礎知識の内容は電気の性質や、交流回路の基礎知識、基礎計算問題の3項目に分けられます。
このような項目をしっかり覚えることが大切です。通常は試験で、基礎知識からは5問ほど出題されます。筆記試験の配点は全50問あるので、この科目をしっかり覚えておけば、1割は得点を得られることになります。
基礎知識はほかの科目の土台となるものなので、全科目のなかでも重要で、最初に覚えるべき知識が詰められています。何事においても基礎知識が大切であり、基礎知識が身につくと、他の科目も理解しやすくなります。
電流と電圧の違いについての基礎知識
第二種の電気工事士の試験対策として、覚えるべき内容は、電流や電圧、抵抗、電力など電気量の性質についての内容です。なかでも混同しやすい電流と電圧について理解しておくと良いでしょう。
電流と電圧の相違については、滝を想像すると理解しやすくなります。滝の勢いは水の高さ、また流れる水の量によって決まりますが、その構成は電気エネルギーと似ています。
水の高さは電圧、流れる水の量は電流で表すことができます。どれほど高さがある滝でも、そもそも水が流れていなければ、滝とは呼べません。それと同じように、どれほど高い電圧があったとしても、電流が流れていなければ、電気エネルギーとはいえません。
こうした基礎知識を理解しておくことが、電気工事士の試験に合格する前提条件になります。
電気工事士の試験では実技試験もある
電気工事士になるためには資格を取得する必要がありますが、試験では筆記試験に加えて、技能試験も行われています。そのため、電気工事でよく使用する工具を準備しておくと良いでしょう。
技能試験を行うときに必要となる電気工具には、ペンチやライバー、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用の圧着工具などがあります。
作業のときに必要になる工具が決められているので、前もって準備しておくことがおすすめです。また、必需品ではありませんが、試験のときにあると便利な工具は、軍手やラジオペンチ、腰ベルト、時計、雑巾などです。
このような道具があると作業の効率がアップします。軍手や腰ベルトを使用すると、操作がしやすくなりますし、残り時間を把握できるように時計も準備しておくことをおすすめします。
普段使用していても試験のときには持参してはいけないものとしては、電動工具やカッターナイフが挙げられます。電動工具を使用すると作業の効率が上がりますが、電柱などの高い場所で使用することは困難で、受験者のスキルを測るうえでは良い道具とはいえません。
また、カッターナイフを使うことは自粛するように受験要項に記されています。ほかの受験者への安全を踏まえてそのように書かれていますが、どうしても使いたい場合には、試験監督に相談してみると良いでしょう。
電気工事士の資格を取得するメリット
電気工事士の資格を取るとどのような利点があるのでしょうか。
将来が見込める
電気は私たちの暮らしに欠かせない必需品の一つです。今の生活は電気が使えなくなると成り立たず、何をするにも電気が必要です。そのため、電気工事士の仕事が社会からなくなることはありません。
特に太陽光発電などの新しいエネルギーが注目されるなか、電気工事士の需要は将来も増えていくことでしょう。また電気自動車を充電する設備を増やすときにも電気工事士の需要が高まることが予想されます。
このような背景から電気工事士の将来は安定しています。
また少子高齢化により労働人口が少なくなるため、人材が不足することも考えられます。社会全体としては複雑な問題ですが、電気業界に携わる人々としては安定して工事を貰えることは魅力的だといえます。
年を経ても仕事ができる
電気工事士はスキルと基礎知識が必要な仕事です。長年働いて経験を積んで信頼される電気工事士になれば、社内での存在感が増します。一人で仕事をしている人であれば、信頼され仕事の依頼も増えるかもしれません。
そして昇進や収入アップにつながり、良いサイクルになってやる気が上がり原動力を得られるでしょう。また、資格を取得することで、高齢になっても仕事ができます。
年齢を重ねて若いときのように重いものを持てなくなっても、屋内の配線やスイッチやコンセントを取り換えるなど、力を必要としない作業ができるのが電気工事士の利点です。
就職や転職がしやすい仕事
電気工事士は社会での必要性が大きいうえ、将来的に人材が不足する可能性があるため需要の高い仕事です。電気工事士の資格がなければ現場で作業できないこともあり、建設業者や電気工事業者、ビルメンテナンス会社では資格を持つ人を積極的に歓迎してくれます。
そのため、自分の要望に応じていくつもの業種で活躍できる可能性があり、資格を活かした就職や転職が見込めるでしょう。
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